CPCは、Web広告の運用では欠かせない重要指標です。ここでは、CPCの考え方と最適化の方法を解説していきます。CPAやCTRなど、間違えやすい類似用語もあわせて確認していきましょう。
目次
CPCとは
CPCは「Cost Per Click」の略で、日本語に訳する「クリック単価」となります。その名の通り、1クリックあたりの広告費を表す指標です。
リスティング広告やSNS広告など、Web広告にはクリック課金制を採用しているものが多くあります。クリック課金制の広告では、広告がどれほど露出されようとも、表示されている時点でお金はかからず、ユーザーが広告をクリックしてサイトにアクセスすることで初めて費用が発生します。
CPCは次のように算出することができます。
CPC=広告費÷クリック数
また、これを言い換えると、クリック数×CPC=広告費となります。
CPCの仕組み
CPCがクリック単価ということはわかりました。しかし、「クリック単価はいったいどのようにして決められているか」気になる人もいるのではないでしょうか。
原則的に、CPCはオークション形式で金額が決まります。広告を出稿する際に、「1クリックいくらまでなら出せます」という「上限CPC」を設定し、他社と競って表示順位やCPCが決定されるのです。
CPCは、検索回数が多いキーワードや、入札者が多いキーワードでは高くなる傾向にあり、検索回数が少なかったり競合がいない場合は低く抑えることができます。
適切なCPCの値段がいくらぐらいなのか悩む人も多いですが、CPCはキーワードによってかなり大きく差が出るため、運用しながら最適化をしていくのが良いとしか言えません。GoogleやYahoo!では、広告キーワードを入稿する際に目安となる入札単価を表示してくれる機能があるので、活用してみると良いでしょう。また、実際に入札するときには、はじめは上限CPCを一律50円や100円などで設定し、運用していく中で配信媒体側が効果が出やすいように自動で上限金額を上げてくれるという設定もあります。
間違えやすい類似用語
Web広告の世界には専門用語が多く、はじめは混乱して何が何だかわからなくなってしまう人も多いです。参考までに、CPCと一緒に使われる用語を挙げてみました。
- CPM(Cost Per Impression):インプレッション単価
- CPA(Cost Per AcquisitionまたはCost Per Action):コンバージョン単価
- CTR(Click Through Rate):クリック率
- CVR(Conversion Rate):コンバージョン率
- PPC(Pay Per Click):クリック報酬型広告
すぐに全てを覚えるのも大変かもしれませんが、何度も見ていくうちに自然と理解できるようになっていくはずですので、ご安心ください。
CPCを最適化するには
CPCは、広告の全体費用に直結するものですから、できる限り安く抑えたいものですよね。当然、上限CPCの設定を下げればCPCは下がっていきます。しかし、上限CPCがあまりに低すぎるとそもそも広告が十分に表示されず、成果に繋がらない可能性も考えられるでしょう。
では、CPCは配信媒体側に任せるしかないのでしょうか。
いえいえ、自社でもできるCPCを下げるための方法はいくつかあります。
ロングテールのキーワードを狙う
まずは、現在出稿しているキーワードを見直してみましょう。前述した通り、検索数の多い人気キーワードはCPCが上がる傾向にあります。
例えば、酵素サプリメントを販売している会社であれば、検索数の多い「酵素 サプリ」や「ダイエット」というキーワードを狙うより、「ダイエット サプリ 口コミ ランキング」や「ファスティング 酵素 痩せる」など、掛け合わせ(ロングテール)キーワードの方がCPCを安く抑えられる可能性があります。
コンバージョンに近いキーワードかつ競合が少ないお宝キーワードが見つかればラッキーですね。
品質スコアを上げる
実は、上限CPC設定のほかに、「品質スコア」と呼ばれる品質評価がCPCを左右する要素として挙げられます。品質スコアを上げるためには、”キーワード”と”広告文”さらに”LP(ランディングページ)の内容”がきちんと対応しているかどうかが重要なポイントです。これらの関連性が高いと評価されると品質スコアが上がり、低CPCでも上位表示されるようになります。
具体的には、広告文にキーワードを含める、キーワードに適した目的別LPを用意する、などが有効な手段です。
キャンペーン設計を見直す
細かく広告キャンペーンを分けている場合、自社広告同士でインプレッションを食い合っている可能性があります。つまり、同じキーワードに対し、自社の複数のキャンペーンが入札して競い合っている状態です。その場合は、CPCの高騰のみでなく、広告の自動最適化がうまく進まなくなることも考えられるので、キャンペーン設計から考え直す必要があります。
CPCは安いがコンバージョンが取れていないときに確認すること
基本的には、CPCは安ければ安いほど効率よく運用出来ているといえます。しかし、CPCが安くとも、コンバージョンに繋がらなければ意味がないですよね。
CPCは悪くないのにコンバージョンが思ったほど出ていないというときには、次のような点を確認してみましょう。
魅力的なLPになっているか
「広告で気になってサイトにアクセスしたけど、期待したほどのものではなくて離脱してしまった」
もしユーザーにこのように思われていたら、いくら広告で流入させたところで意味がありません。LPを改善することで、コンバージョン率は大きく改善される可能性があります。まずは、流入した先のページがユーザーにとって魅力的かどうかを再度見直してみてはいかがでしょうか。
フォームは使いやすいか
フォームの入力項目が多すぎたり、入力しにくくて使い勝手が悪くなっているということはないでしょうか。サイト内でフォーム改善(EFO)できる項目があれば確認してみると良いでしょう。
成果の低いキーワードはないか
クリックは多いがコンバージョンに至っていないキーワードがある場合、それがコンバージョンに繋がりにくいキーワードである可能性が考えられます。そのキーワードを配信停止にしたり、上限CPCを低くすることを検討してみましょう。
キーワードの除外設定ができているか
出稿する際に部分一致やフレーズ一致にしていると、自社商品と全く関係のない予期せぬキーワードから流入していることがあります。
設定キーワードではなく、”実際にクリックされたキーワード”をこまめに確認して、無駄なクリックを生んでいるキーワードが見つかったら、その都度除外設定をしていくことが重要です。
クリックしやすい人優先で広告を出稿している(FB広告)
Facebook広告では、クリックしやすい人に優先的に広告を配信するという設定方法があります。これは、出稿を始めたばかりの場合や、とにかく多くの人に認知してもらいたい場合に行う設定です。現状で一定以上のコンバージョンがあり、もっと増やしたいなら、設定を「コンバージョン最適化」に変更する必要があるかもしれません。
広告評価はCPCだけで判断しないことが大切
運用型広告で欠かせない指標であるCPC。しかし、広告の評価はCPCだけで判断するのは危険です。CPAやCVRなどの指標とあわせて総合的に見ていき、全体の最適化を図るようにしましょう。