Web記事のライティングをしているとき、リード文に何を書けば良いかいつも悩んでしまうなんてこと、ありませんか?
「リード文」とは、今まさにあなたが目にしている文章です。タイトルの下にあるちょっとした説明書きの部分ですね。
目立たないようでいて、実はとっても重要な意味を持つリード文。今回は、初心者でもすぐにマネできるよう例文付きで、”効果的”なリード文を”早く”作るコツをご紹介します。
※今回はWeb記事を前提にお話ししますが、雑誌や新聞などの記事でも基本的な考え方は同じです。
目次
リード文のたったひとつの目的

記事の基本構成は、タイトル、リード文、本論、まとめです。この記事を読んでいる人は「そんなの知ってるよ」という感じかもしれません。しかし、各要素の”役割”を考えたことがある人はどれほどいるでしょうか。
例えば、検索結果やSNSなどでユーザーがはじめに目にする「Web記事のタイトル」の役割、これは、ユーザーに興味を持ってもらうことです。そして、クリックさせることが目的といえます。
では、リード文の役割は何でしょう。
リード文の役割、それは、タイトルをクリックしたユーザーに、本文を読ませることです。「これは自分にとって読むに値する記事なのか……?」と疑念を抱きながら訪問してきたユーザーの不安を取り除き、画面をスクロールさせることが最大の目的なのです。
リード文の必要性

「でも、ユーザーはタイトルを見てある程度興味を持って来ているんだから、そもそもリード文はいらないんじゃないか」そんな風に思う人もいるかもしれません。
しかし実際に、リード文があるとないとでは、本文を最後まで読んでくれる確率(読了率)や、離脱率に大きく差が出てきてしまいます。
あらゆる企業が人々の時間を奪い合っている現代において、ユーザーはとにかく時間がありません。例えば、せっかく最後まで読んだのにその記事から何も得るものがなかった場合、ユーザーの時間は大きなロスになってしまいますよね。ユーザーは無意識的にそれを避けようとしています。
そのため、何かを検索するときも、最短ルートで目的を果たせる方法を求め、怪しそうなページだと判断されると、すぐさま他のページに移ってしまうのです。
リード文は、そんなユーザーに対して「大丈夫、このページはあなたにとって価値のあるものですよ」と簡潔に知らせ、安心感を与えるためのもの。丁寧にリード文が書かれてある記事は、読者のことを大切に考えてくれている良記事の可能性が高いといえます。
リード文は「つかみ」と「要約」で書く

ちょっとしたコツさえ掴めば、誰でも効果的なリード文を書くことはできます。
リード文作成にはいろいろなパターンがありますが、初心者には「つかみ」と「要約」の2つの要素を入れて書くのがおすすめです。
つかみ
上手な漫才やプレゼンテーションなどには、必ず「つかみ」があります。話の上手な人は、一番はじめのつかみで聴衆の耳を開かせ、一気に自分が話しやすい雰囲気を作るのです。
Web記事も同様です。リード文の「つかみ」には、「共感」「逆説」「ベネフィット」などいくつかのパターンがあるので、それぞれ覚えておくと良いでしょう。
共感
読者が「私と一緒だ!」「あれ、それって私のこと?」「そうそう、あるある!」と思わず共感してしまうようなもの。
例えば、「こんな風に思ったことはありませんか?」と投げかけたり、「これで悩んでいる人はすごく多いんです」と読者の心理を突いて共感を得る方法があります。
逆説
今まで普通だと思っていたことが実は非常識だった、自分は間違った方法を行なっていたなど、逆説的なことを説くパターンです。意外な事実で読者の関心を引き、「え?そうなの?」「いままで損してたかも」などと感じさせることが目的です。
ベネフィット
この記事を読めばあなたにこんな良いことが起こりますよ、というメッセージをリード文に入れる方法です。この記事から得られるものを読者にアピールしましょう。
例えば、「私はこの方法で3ヶ月で20kg痩せました」「ストレス解消でついつい無駄遣いしてしまう人も、これを読めば年間100万円貯められる」など、今すぐ読まなきゃ損だよ!というメッセージを込めるのです。
「共感」「逆説」「ベネフィット」は、単体でも使えますし、組み合わせて使っても効果的です。
要約
「つかみ」がうまくいったら、リード文のシメに、本文の内容を要約してあげましょう。
具体的には、「今回は◯◯についてご紹介します」「重要ポイントは◯◯と△△です。順番に見ていきましょう」などといった文章がよく使われます。場合によっては、前項の「ベネフィット」部分が要約の役割を担うこともあります。
ライティングに慣れるまでは、まずこの「つかみ」と「要約」の書き方のポイントを押さえて、ひたすら形通りにリード文を作っていくと良いでしょう。慣れてくるうちに、自分のスタイルができてくるはずです。
参考として、本記事後半に「つかみ」と「要約」を使った文例集がありますので、あわせてご確認ください。
リード文の最適な文字数は?

リード文の文字数に特に決まりはありません。しかし、あまり長いと、本文に行く前にユーザーが疲れて離脱してしまう可能性が高まりますので、なるべく短く簡潔に書くことをおすすめします。
具体的には、3〜5文程度。文字数でいうと100〜200字ぐらいが良いでしょう。
リード文をスラスラ書くための2つのポイント

伝えたい相手を具体的に想像する
記事を作成するときには、想定読者を立てると良いと言われます。例えば、この記事であれば、「リード文作成に苦手意識を持つ初心者ライターさん」が想定読者となるでしょう。
記事を見る人がどんな人なのかを具体的に想像して、読者の立場に立ち、悩みや興味を想像して書いてみましょう。きっと、今よりもっと精度の高いリード文を書くことができますよ。
リード文は最初に書かない
文章を書くことに慣れていないとやりがちなのが、記事を”上から順番に書いていくこと”です。個人的には、Web記事を一行目から書くのは非効率だと思っています。
リード文の基本型には「要約」が必要でしたね。つまり、一番はじめにリード文を書く場合、本文が何もない状態で記事の要約をしなければならないのです。
想像してみてください。これから書かなければならない本文の内容をイメージしながらリード文を考えるよりも、本文を書き終え、一度自分で読み直してからの方が、はるかにラクに書けるのではないでしょうか。
効率的に記事を作成していきたいなら、
- 仮タイトル
- 見出し付け
- 本文執筆
- リード文・まとめ執筆
- 推敲、タイトルの再確認
という順番で書くことをおすすめします。
リード文は最初ではなく最後に書く。騙されたと思って、ぜひ一度やってみてください。
リード文で使える文例集
最後に、今回ご紹介した「つかみ(共感型・逆説型・ベネフィット型)」と「要約」の文章には具体的にどのようなものがあるか、例文を記載します。
- ◯◯は△△にとって欠かせないものです。
- ◯◯だと感じることはありませんか?
- ◯◯は多い方が嬉しいですよね。
- 最近SNSでも話題の◯◯。
- ◯◯が大事なのはわかるけど、どうしても△△してしまう……
- よくある質問に◯◯◯◯◯◯という内容があります。
- ◯◯と△△って同じじゃないの?そんな風に勘違いしている人も多いです。
- ◯◯に関わる人誰もが抱える悩みに、△△があります。
- 今のままだと損をしているかもしれません。
- 知らない人も多いのですが、この2つには明確な使い分け方があります。
- 実は、初心者でも無料で簡単にできるんです。
- 当たり前に使っている◯◯のもうひとつの使い方をご存知でしょうか。
- しかし、間違ったやり方をしている人は非常に多いです。
- 無理して◯◯することで逆効果になっているかも……
- この言葉を誤解している人はとても多いようです。
- ◯◯をすれば、△△も夢ではありません。
- 同じ時間なのに◯◯が倍になったら、嬉しいですよね。
- これを理解することで、いざというときにも正しい判断ができるようになります。
- ◯◯をしておくことで、売上アップの手助けをしてくれることでしょう。
- ◯◯によって、印象アップが狙えるかも?
- ◯◯をして、△△を見返してやりましょう。
- 今回は、そんな◯◯をご紹介します。
- 事例をもとに、◯◯について学んでいきます。
- この記事は、◯◯な人のために△△の意味と正しい使い方を説明します。
- ここでは、◯◯のコツと注意点をご紹介します。
- ◯◯になるための△△のポイントを5つ紹介します。
- ◯◯するうえで欠かせない◯◯について、基本からやり方まで徹底解説します。
- どうすれば良いのか、具体的な方法を確認していきましょう。
優秀なリード文は記事を格上げする
リード文の書き方のおさらいです。
- リード文は本文を読ませるためのもの
- リード文は「つかみ」と「要約」で書く
- リード文は読者の立場になって書く
- リード文は本文を書き終えてから書く
あとは、実際にたくさん作るのみ!習うより慣れろ、です。これが最も重要なことですね。実践を重ねて、ユーザーの心理をグッと掴めるリード文を作れるようになり、彼らの親指をガシガシ動かしてやりましょう。
本記事で、今までリード文作成に苦しめられていたライターさんの心が少しでも楽になっていたら幸いです。