マーケティング戦略の基本のフレームワークの一番初めに行うべきもので、
目次
マクロ環境分析に役立つ「PEST分析」
PEST分析は、マーケティングの神様ことフィリップ・コトラー氏が提唱した分析手法で、マクロ環境の分析に使うフレームワークです。
Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)のそれぞれの頭文字をとって「PEST分析」といいます。PEST分析は、この4つの環境要因を調査し分類していくことで、自社が置かれている環境を正しく判断していくというものです。
事業活動を成功させるためには、世の中の大きな流れを掴めているかどうかが重要な要素となります。ひとりよがりの商品・サービスとならないためにも、PEST分析は大切な役割を持っているのです。
PEST分析の4つの環境要因
PEST分析は、さまざまな角度からマクロ要因を検証することで、自社の置かれている環境を理解するのに役立ちます。具体的には、次に挙げる要素について、統計データや公的な資料など参照しながらまとめていきましょう。
P:Politics(政治)
Politicsの主な要素には、次のようなものがあります。
- 政権交代や政治環境
- ビジネスに関わる法規制や法改正
- 税制
E:Economy(経済)
Economyの主な要素には、次のようなものがあります。
- GDP
- 為替や金利、株価
- 物価
- 賃金動向
- 消費動向
- 産業の発展
S:Society(社会)
Spcietyの主な要素には、次のようなものがあります。
- 人口や人口構成比
- 自治体の活動
- 世帯収入
- 文化
- 流行・トレンド
T:Technology(技術)
Technologyの主な要素には、次のようなものがあります。
- 技術開発
- IT活用
- 特許
PEST分析のやり方
ここでは、例としてオンライン英会話サービスを想定して、PEST分析を行ってみたいと思います。
- 2020年には小学校3年生から英語教育が義務化されることになった。外国語習得への関心や必要性はこれからも高まっていくことが想定される。
- 分社化してグローバル支社を作ることを想定して、各国の税制と規制を調べ、候補地をピックアップ。
- 教員として採用を検討しているフィリピン人の平均賃金を調べる。
- 他に低コストで教師が採用できる国はないか探す。
- グローバル化が進み、小さい頃から英語に親しませる親が多くなった。
- 企業の海外展開によりビジネスでも英語が必要になる場面が増えている。
- シニア留学をする人が増えるなど、定年後の人への英会話の需要もある。
- 可処分時間が減り、スキマ時間でできる習い事が好まれている。
- これまでは対面式の英会話スクールが主流だったが、インターネットの普及によりオンラインでの英会話レッスンが可能になった。
- 5Gの普及によって、さらに通信環境が良くなるため、英会話教師の採用を広げられる可能性がある。
PEST分析はそのほかのフレームワークとあわせて使おう
PEST分析の目的は、マクロ環境を把握することによって、世の中の流れは自社にとって追い風となっているのか、考えられるリスクはないかなどを確認することです。
PEST分析は、SWOT分析やSTP分析などの前段階として行われることも多く、単体で使うよりも他のフレームワークと組み合わせて使うことで効果を発揮することも多いです。市場の流れをしっかりと掴み、マーケティング活動の立案・実行に役立てていきましょう。