SEO対策を始めたいけど、情報が色々とあってどれが正しいのかわからない。何から手をつけていいかわからない……。そんな人のために、基礎知識から最新手法まで、2019年版のSEO対策情報をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
目次
SEOとは
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。
私たちは、普段何かを調べたい時にスマホやパソコンで「検索」しますよね。SEOは、ユーザーが検索をしたとき、GoogleやYahoo!の検索結果画面の1ページ目など、より目に付く場所に自社コンテンツを表示させるための施策のことをいいます。
SEOのメリット・デメリット
コンテンツマーケティングの流行によって、SEO対策に取り組む企業は非常に多くなってきています。また、ブロガーやアフィリエイターといった個人でもSEO対策によるアクセス流入をメインにしている人は多いでしょう。
SEO対策に成功すると、事業に多くのメリットをもたらします。しかし一方で、SEO対策にはデメリットもあります。
SEOのメリット
- 自分で始めれば無料でもできる
- 広告費の削減に繋がる
- 集客力が上がる
- 潜在顧客の獲得ができる
- 広告に比べ好印象を与えられる
- ブランディング効果
- 会社の資産になる
このように、SEO対策に成功すると、大幅な広告費の削減や収益向上に繋がる可能性があります。
SEOのデメリット
SEOは良いことばかりではありません。気をつけておくべき点を以下にご紹介します。
- 即効性に欠ける
- 制作リソースの確保が必要
- 検索エンジン側のアップデートなどによって順位が下がるリスク
ホームページを持っている企業なら、基本的なSEO対策は必須といえるでしょう。しかし、コンテンツマーケティングが流行っているからなどと行った理由で安易にコンテンツSEOに取り組もうとするのは危険です。
悪徳業者に騙されたり、社内リソース確保に苦労したり、結果が出る前に資金がショートしたりなど、痛い目にあう可能性もありますのでご注意ください。
SEO対策=Google対策?
SEO対策の話をしていると、「Googleのアルゴリズムが〜」「Googleのポリシーが〜」などと、必ずGoogleの話がセットでついてきます。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
日本人の97%がGoogleの検索エンジンを使っている
2019年2月現在、日本における検索エンジンの利用率は以下のようになっています。

Googleが多数派で、Yahoo!とBingが続くような感じになっていますね。
実は、Yahoo!では以前まで独自の検索エンジンシステムを使用していましたが、現在はGoogleの検索エンジンを使用しています。つまり、現在国内ユーザーの約97%がGoogleの検索エンジンを使っているということ。SEO界隈でGoogleの話がやたら多くなるのには、このような背景があるのです。
まさに、「Googleを制するものは、SEOを制す」ですね。
Googleの10の真実
Googleには公式に提示している10の真実というものがあります。
引用元:Google が掲げる 10 の事実
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
Googleは、常にこの10の事実を元に企業活動を行なっています。Googleのメイン事業は検索サイトですよね。つまり、私たちがSEO対策に取り組む上でも、この10の事実に適っているかを意識することは非常に大切になるということです。
細かい技術的なノウハウは後述しますが、まずはこの大原則を覚えておきましょう。
Googleが公表している「E-A-T」って?
Googleは、「アルゴリズム」と呼ばれる検索結果を順位を決める仕組みを独自開発しています。Googleのアルゴリズムは企業秘密のため、一般には公開されていないのですが、高品質な情報とは何かを判断する基準となる「品質評価ガイドライン」を公表しています(英語のみ)。
その中で、品質評価の基準とされる「E-A-T」について言及されているので、ここで紹介しておきます。
- Expertise – 専門性
- Authoritativeness – 権威性
- TrustWorthiness – 信頼性
Googleは、専門性、権威性、信頼性のある記事を評価しますよ、と言っています。そんなこと言われても、実際どうすれば良いのかわからないですよね。
E-A-Tを意識するには、とにかく読者ファーストになることです。正しい事実を、深く、わかりやすいコンテンツにすることが大切といえるでしょう。なぜなら、専門的で正しい情報は、周りから信頼されて人気が出て、自然とその分野での権威となっていくからです。
ここまでSEOの概要とGoogle社の考え方をご紹介してきました。次からは、いよいよSEO対策の実践編です。
SEO対策の重要ポイントは大きく3つ
SEO対策というと、ひと昔前に氾濫していたブラック業者(業者に頼んでリンク貼ってもらうんでしょ?)のイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、基本的には専門の会社に頼まずとも自分の力で対策が可能です。
ポイントは大きく3つ、「正しくキーワード選定すること」「内部対策」「外部対策」があります。
1. キーワード戦略
物事を検索するには、検索窓に何かしらの「キーワード」を入力しなければなりません。
なんだ、当たり前のことじゃないか、と思うでしょう。しかし、実はここがすごく重要なポイントなのです。
なぜなら、「検索窓に入れるキーワードはほぼ無限にある」からです。もちろん、検索エンジンはその無限にある検索キーワードにしっかり対応して結果ページを表示させています。
そう、SEO対策のスタートは、「どのキーワードで対策するか」を決めることです。
まずは、サイトの目的とターゲットを明確にさせたうえで、どのキーワードで対策をしていくのが良いのかを考えることが必要です。
キーワード選定のポイントは、「需要の多いキーワード」かつ、「ターゲットに合ったキーワード」を選ぶこと。例えば、SEO1位になれたとしても、そもそもほとんど検索されていないキーワードだったらサイトへの流入にはあまり見込めないですよね。また、同じ脱毛でも「脱毛サロン」と「脱毛器」では、ユーザーが求めている結果は全然違うはずです。
需要の多いキーワードかどうかを見極めるには、専門のツールを使うのが手っ取り早いでしょう。無料で使えるものも多くあります。そして、ターゲットに合ったキーワードを見極めるには、実際に自分で検索してみて、上位のコンテンツを見てみることが一番確実です。
キーワード調査ツール
よく使われるキーワードツールには次のようなものがあります。
- Googleキーワードプランナー
- Yahoo!キーワードアドバイスツール
- Moz
- aramakijake.jp
- Googleキーワードプランナー
- Yahoo!キーワードアドバイスツール
- Goodkeyword
- Googleサジェスト機能
キーワードの性質を見極めて
あらゆる検索クエリ(キーワード)は、「Do」「Know」「Go」と大きく3つのタイプに分類されます。それぞれのキーワードタイプによって、どのようなコンテンツが上位に上がりやすいかという「コンテンツとの相性」がわかります。
Doクエリ
Transactinal(取引型)のクエリと言われるタイプ。
Doクエリは、ユーザーが何か行動したいと思っているときに検索されるキーワードのことです。例えば、「水 定期購入」「下着 通販」「銀行 キャッシング 即日」などのキーワードが挙げられます。
サイト管理者側から見ると、いわゆる「今すぐ客」を狙えるキーワードとなり、コンバージョンに結びつきやすいといえます。
検索結果には、ユーザーがしたい行動が正確に行えるコンテンツが上位表示されやすくなります。検索結果を見て、ECサイトやサービスサイトなどが上位を占めていたら「Doクエリ」と判断できるでしょう。
Knowクエリ
Informational(情報型)のクエリと言われるタイプ。
Knowクエリは、ユーザーが何かを知りたいと思っているときに検索されるキーワードのことです。例えば、「○○とは」「沖縄観光 おすすめ」「結婚式 服装マナー」などのキーワードが挙げられます。
このクエリタイプはブログなどのコンテンツともっとも相性が良く、記事を量産していくコンテンツマーケティングを考えているなら、まずはKnowクエリを狙っていくのが得策といえるでしょう。
Goクエリ
Navigational(案内型)のクエリと言われるタイプ。
Goクエリは、ユーザーが特定のサイトなどに行きたいと思っているときに検索されるキーワードのことです。例えば、「楽天市場」「みずほダイレクト ログイン」「HIS 沖縄」などのキーワードが挙げられます。
いわゆる指名検索です。自社商品・サービスを持っているなら、ブランディングによってこのGoクエリの検索回数を増やしていきたいものですね。
キーワード戦略は、その後のサイトの成長のキモになる部分です。SEOの技術的なノウハウだけ知っていても、間違った戦略を取っていたら、骨折り損に終わってしまうかもしれません。よくよく検討して、対象キーワードを選定していきましょう。
コンテンツSEOの場合、対象キーワードが決まったら、制作スケジュールに落とし込んで執筆を進めていきましょう。
2. 内部対策
ここからは、実際にコンテンツを制作するときに役立つ、SEO対策の技術的な部分をご説明します。
- MFI対応のサイトデザインにする
- サイトスピードを速くする
- キーワードに対応したコンテンツを作る
- 読者が読みやすい記事を書く
- メタ情報を正確に書く
- 構造化データマークアップ
- 内部リンクを貼り巡らす
- Xmlサイトマップの登録
MFI対応のサイトデザインにする
MFIとは、「モバイル・ファースト・インデックス」の略。
サイトは、PCとモバイルで見え方が違いますよね。スマホが普及する前は、インターネットの利用はPCからが中心だったため、Googleの検索エンジンにもPC用のサイト情報を送信し、インデックス、ランキング付けされていました。
しかし、インターネットの利用がPC中心からモバイル中心に移り変わるにつれ、モバイルに最適なデザインがより重要視されてきます。
今では、サイトのモバイル対応はマスト条件といえます。2018年3月には、ついにGoogleもモバイルサイトの情報を中心に評価する「MFI」を導入することが公式に発表されました。
検索上位を目指すなら、レスポンシブデザインやPC・モバイル別にサイト表示を切り替えるなど、モバイルユーザーにとって使いやすいサイトを作成することは必須です。
サイトスピードを速くする
表示速度はサイト運営に大きな影響を及ぼします。
実際には、現在サイト表示速度はよっぽど遅くない限りランキング要素に大きく影響していないようです。しかし、「10の事実」の3番目にも表示速度に言及されているということもあり、サイトスピードがランキング要素に盛り込まれる日も近いと思われます。
具体的な対策方法としては、AMP対応したり、画像やCSS、JavaScriptファイルの軽量化などが有効です。まずは、Googleが公式に出しているPage Speed Insightでチェックしてみましょう。
キーワードに対応したコンテンツを作る
何を差し置いても、結局これにつきます。
キーワードに対応したコンテンツとは、つまり、「そのキーワードを検索する人の疑問や要望は解決できるコンテンツ」ということです。先述したE-A-Tを意識して作っていきましょう。
コンテンツをどんな内容にするか迷ったときには、検索結果上位の記事を参考にしたり(コピーコンテンツはダメ、絶対。)、共起語検索ツールなどで、ターゲットキーワードと共に表記されているキーワードを洗い出してコンテンツに反映させるのもおすすめです。
読者が読みやすい記事を書く
上の項目とも関連しますが、記事コンテンツは読みやすさが非常に重要です。読みにくいコンテンツは直帰率が上がったり、滞在時間が短くなってしまい、ランキングにも影響にかねません。
記事を読みやすくするには、ちょっとした工夫が大切です。
- 画像や図を効果的に使う
- 要素が多い時には箇条書きを使う
- 複数の比較要素は表にまとめる
- 漢字とひらがなは3:7程度の割合で
- 見出しを適切に入れる
- 一文を短くする
- 上から流れるように読める構成作り
読みやすい記事は、結果的にアフィリエイトやECの商品購入などのコンバージョン率を高めることに繋がります。コンテンツを作るときには、読者にとってのわかりやすさを特に意識して取り組みましょう。
メタ情報を正確に書く
タイトルタグやディスクリプションタグ、見出しタグなどのメタ情報は必ず正確に書くようにしましょう。
これはやっていて当たり前のことです。周りがほとんどできていることなので、できていないとマイナス要素となってしまいますよ。
構造化データマークアップ
Googleで検索すると、結果画面にタイトルやURL、説明文が出てきますよね。これらのテキスト情報は「スニペット」と呼ばれます。最近では、通常のスニペットに加え、人物、店舗情報、電話番号などが表示される「リッチスニペット」が結果画面に出てくることが多くなりました。
スニペットに情報を追加するためには、「構造化データマークアップ」が効果的です。構造化データマークアップとは、通常のメタ情報に加え、GoogleのAIにより多くの情報を伝えるための特別な記法のことです。
リッチスニペットには、サイトへのクリック率を高めてくれる効果が期待できるので、ぜひ構造化データマークアップにも挑戦してみましょう。
なお、構造化データマークアップをしたからといって、必ずしもリッチスニペット表示されるとは限りません。
内部リンクを貼り巡らす
コンテンツ同士に関連性があるものであれば、積極的に内部リンクを繋げておきましょう。SEOにも効果があるとされていますし、同時にユーザーの回遊率アップも見込めます。
Xmlサイトマップの登録
サイトマップには大きく2種類、サイト訪問者用のサイトマップと、検索エンジンに読ませる用のサイトマップがあります。後者のものを「Xmlサイトマップ」といい、これをGoogleに送信することで、クローラーが効率的にサイトを回遊してくれて、適切に評価しやすい状況になるのです。
まだ登録していない人は、ぜひ早めに作成してみてください。
3. 外部対策
SEOの外部対策とは、簡単にいうと、外部リンクの対策(他サイトに自社サイトのリンクを貼ってもらうようにすること)です。
「10の事実」の4番目にある「ウェブ上の民主主義は機能する。」とは、まさに被リンクのことを指しています。素晴らしい論文や名言は多くの人から引用されるのと同じように、優良なコンテンツは多くの人から被リンクを受けると考えられており、外部要因はランキングにも影響しています。
ひと昔前は、内部要因よりも外部要因の方がランキングに大きく影響するアルゴリズムだったため、被リンクを販売するSEO業者も氾濫していました。しかし、Googleのアルゴリズムは大幅なアップデートを繰り返し、現在では不自然なリンクはペナルティを受けて順位が下がるようになっています。そのため、システムの裏を突くようなSEO業者は淘汰されつつあるようです。
とはいえ、外部対策はなかなかひとりでは対策しづらいものでもあり、自然とリンクが集まるようになるには時間がかかるものです。
まずは、自社サイトに関連しているサイトに相互リンクを申し込んだり、内部リンクで被リンクを集めたりするなど、できることは積極的に行いましょう。あとは内部対策を中心に粛々とコンテンツを作っていくこと。優良なコンテンツであれば、自然と被リンクは集まるようになるはずです。
SEOは1日にして成らず
数日で結果が出始めるWeb広告とは違い、SEO対策は効果が見えるまで平均して3〜6ヶ月程度かかります。時間も忍耐力も必要になるため挫折する人も多く、そもそも嘘なんじゃないかとか、大手企業が枠を買い占めてるんじゃないかとか思う人もいるのですが、適切な方法で対策すれば、上位表示はかなりの確率で成功します。
誰に何を伝えるかを明確にし、ユーザーのために丁寧にコンテンツを作っていけば、その努力はきっと報われます。SEOは1日にしてならず。あなたも1位を目指して、SEO対策に挑戦してみませんか?