自分が送ったメールの意味が間違って伝わっていたり、ライティングをしているうちに何が言いたいのかわからなくなってしまうこと、ありませんか?
文章がわかりにくくなってしまうのは、もしかしたら構成の組み立てができていないからかもしれません。今回は、わかりやすい文章の第一歩となる、文章構成づくりの基本を解説していきます。
文章構成の基本の種類
文章構成を上手に作るには、基本の形を覚えておくことが重要です。構成の形にはさまざまなものがありますが、ここでは、一般的によく使われる「5W1H型」「起承転結型」「三段構成型」「双括型」の4つをご紹介します。
メールや議事録にも使える「5W1H」
5W1Hとは、いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのようにという6つの要素で組み立てていくというものです。ビジネスの基本として有名な5W1Hの文型は、文章を書くときにも非常に役立ちます。
小説などに最適な「起承転結」
起承転結という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。もともとは、漢詩の構成法として使われていたもので、現在でも、小説などを書く際に使われている文章構成の形です。
- 起…物語の始まり
- 承…徐々にストーリーが進み
- 転…流れが変わり、物語の山場を迎える
- 結…話のエンディング
四コマ漫画などを想像するとわかりやすいかもしれません。起承転結型の文章構成は、ストーリー性のあるものに特に向いています。
汎用性の高い「三段構成」
報告書、プレゼン資料、論文、記事ライティングなど、汎用性が高く、さまざまな機会で使える説明文の基本が「三段構成」です。
三段構成は、「序論」「本論」「結論」の3つから成り立ちます。
- 序論…これから説明することの趣旨や記事の主題を完結に伝える
- 本論…序論を受けて、内容を具体的に記していく
- 結論…序論、本論から導き出されたものをまとめる
Webライティングにおすすめな「双括型」
双括型(そうかつがた)とは、まず始めに結論を述べ、次に詳しい理由を挙げ、最後にもう一度結論を言うという、「結論」「理由」「結論」型の文章構成です。
双括型(そうかつがた)の文章構成は、Web記事などのライティングに最も向いている構成の形といえます。
なぜなら、「結論」「理由」「ゆえに結論」という3構成で成り立つ双括型は、時間のない読者にとって親切で、かつ説得力を生み出しやすい形だからです。
Web記事は縦スクロール型のメディアのため、読者は基本的に上から順番に文章を読んでいきますよね。現代の読者は、効率的に情報を得たいと感じる人が多く、結局何が言いたいのかわからない文章はすぐに離脱してしまいます。
そのため、「この記事の結論はコレです!」と先んじて結論を述べてしまう双括型は、読者にとって読む価値のある記事だと感じさせやすい文章構成となっているのです。
さて、上記の文章も双括型を使って書いているのにお気づきでしょうか。初めの文章が「結論」、なぜなら〜の文章が「理由」、そのため〜の文章が「結論」となっています。
忙しい上司に報告をあげるときにも、よく「結論から先に言え」などと言われますよね。これと同じで、文章も結論から先に書いてあげると、読者も安心して最後まで読む気になれるのです。
論理的でわかりやすい文章には、この「結論」と「理由」が随所に盛り込まれています。大枠の構成を決めたあと内容を埋めていくときも、意識的に「結論」と「理由」を交互に書いていくと、より説得力のある文章に仕上がりますよ。
長めの文章を書くときは始めに構成案を作ること
Webライティングやプレゼン資料を作るときなど、長め文章を書くときには、一文目から書くのではなく、まず構成案を作成するところから始めましょう。構成案とは、記事でいうところの「目次」にあたります。先にご紹介した文章構成の基本形を活用しながら、文章の枠組みを始めに作ってしまうのです。
構成案を先に作ると、自分自身も文章を書いているうちに迷子にならずに済み、まとまりのある論理的な文章が完成します。ライティングスピードも格段に上がることでしょう。
文章を書く前の構成案作成をクセにすることは、論理を組み立てる訓練にもなります。ライティングだけでなく、メールやプレゼン、ちょっとした雑談などにもその恩恵を受けることができるでしょう。
いろいろなパターンを試してみて、自分にしっくりくる形を見つけてみてください。